top of page
  • 執筆者の写真

石原純が暮らした家


6月から取り組んできた、本が出来上がった。名前は『保田震災記 石原純が残した記録』とつけた。石原純は、大正から昭和初期にかけて科学者・歌人・科学ジャーナリストと、多面的な活動した人物で、いずれの仕事も当時の国内では一流の水準だった。石原はヨーロッパでアインシュタインに理論物理学を学んだ。後にアインシュタインがノーベル物理学賞をとって、世界的に有名になって、日本に講演に来た時には、石原はその通訳として各地に同行した。石原は保田の小学校の裏山に洋館をたてて、女流歌人の原阿佐緒と移り住んだ。原と別れてからも、この家に住み、最期は保田の家で亡くなった。

保田小学校に通っていたころ、「この裏の山に昔有名な博士がいたんだよ」と先生に言われて、どんな人だったんだろうと二階の窓から裏山を眺めていた時期があった。いま思い返すとあれは石原の事だったんだな。

石原の暮らした家は、昭和40年代に取り壊されてしまってもうない。赤い瓦で、白壁で、どこか西村伊作の作るような文化住宅っぽい佇まい。現存していないことは残念ではあるが、それは仕方のないこと。どんなものか見てみたいと思って、本作りの次はその家をレゴで作っています。

なかなかかわいい家じゃないか。


bottom of page