またひとつ古い写真の絵葉書を買いました。今回買ったのは、保田の海岸で多くの人たちが板子乗りを楽しんでいるもの。
板子乗りは、大正時代や昭和戦前期に広く日本の海岸で一般に楽しまれていたという。確かに古い観光絵葉書には板子乗りに興じる人たちが写るものがあるんですが、それらの大抵は、逗子や大磯など国内でも早くから海水浴場として開発された地域のものばかり。
海浜保養地としての保田の歴史を調べてきた私は、保田でも同じような写真や絵葉書が必ずあるような気がして、時折ネットで探していたのです。かれこれ1年くらいたった先日、たまたま見つけたのがこの絵はがきだったわけです。
風が穏やかな夏の日、適度な大きさのうねりが少し沖合で今にも崩れようとしており、板切れを手にした男の子や大人がその波をつかもうとずらっと並んでいます。波打ち際を見てみると、両手に板子をもつ男の子や、ボーダーのタイトな海パンを履く男の子が腕組みしてこっちを見ている。真っ黒に焼けた肌と白い帽子のコントラストが健康的でカッコイイ。ふんどしの男の子のお尻がちょっとしたスパイスを添えていますね。
この絵はがきに写る風景は、海浜保養地としての保田の郷土史の観点からも資料性があるし、楽しさやユーモアが詰まっている感じがして気に入っています。
絵葉書には「国民新聞主催 東京湾八景之内 保田町海岸海水浴場」と書かれています。国民新聞とは明治23年から昭和4年初めまで続いた日刊新聞のこと。東京湾沿岸地域で何らかのキャンペーンをしていたうちの一つなのでしょう。
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