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裏山散歩での印象

先日子どもを連れて裏山を登って降りて、隣の集落へと抜けて帰ってきた。約1時間ちょっとの道のりは幼い頃に友達の家に行く時や、なんとなく遊びに行っていたところだ。幼い頃、谷津沿いの畦道から山にそれると、土手から木の枝が道に被さってトンネル状に続いていた。土手からは所々水がちょろちょろと伝ってくる場所があって、カエルの卵とかがあったり、蛇がいたりした懐かしい空間。


ここをゆっくり歩いたのは20数年ぶりだったが、全体的に「森が荒れている」ということを実感せざるを得なかった。昔は脇道からもあまり場所を選ばず山の土手を上がることができたけれど、濃密な藪が一面にあって入っていくのも容易じゃない。


今に始まったことではなく、随分前から日常的に見かける房総半島南部の山の風景は、そのほとんどに荒れているという印象を持っていた。きっと国内全体が同様であると思う。山林の環境変化については、ここ80年くらいでおこった社会や生活様式の変化、例えば「薪を使わなくなったこと」とか、「政策で促された杉の植林が放置された弊害」とかの観点から語られるのはよく聞くところだが、それはそれとして。


個人的に親しみのある空間がそのようになっているのを見ると、ちょっと感慨深かった。

きっとこの間歩いたところも、祖父母やその上の世代は薪を取りに行ったり日常的に人が入っていたのだろう。



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