昨日は一日中暑かった。
昼過ぎ頃、少し雲が出てきたが、それでも吸い込む息は重たく感じられる熱さだった。
家の前の浜に娘をつれて行くことにした。
娘にとって海の水に足をつけたのははじめて。
濡れた砂の感触に慣れない様子で、足をつけると口を尖らせて眉間にしわを寄せた。
小さい波がくるぶしの上をかすめると、いよいよ泣きはじめてしまった。祖父に連れられて初めて海に行った僕もどうやらそうだったらしい。
磯で蟹探しをした後、娘と妻は先に家に戻った。
その後は、ひとりで沖に浮かぶブイあたりまで泳いで、しばらくの間大の字になって水面を漂った。この時間が昔からたまらなく好きだ。耳は水につかっているから音は聞こえないし、空しか見えない。少し頭をうしろに反ると逆さまの島が見える。
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