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外国からの旅人


たまに用があって保田駅に行くと、外国人の旅行者を見かけることが多い。以前仕事帰りに自転車で通りかかったらブラジル人の女の子2人に「シャッターを押して」と頼まれた。去年は台湾から来たというグループの写真を撮ってやった。この人たちはみんな、これから鋸山に登ると言って手を振って歩いて行った。

保田駅は鋸山南側の最寄り駅で、歩きでは麓からの階段で登るしかない。一方北側最寄り駅の浜金谷駅近くには、鋸山山頂までのロープウェイもある。街中で外国人旅行者を見かけるのは保田よりも金谷の方が多い。

鋸山は海外向けの旅行情報サイトでの人気度がかなり高いという。 2年前、ホテルの仕事で、外人の夫婦のテーブルを担当したことがあった。奥さんはルーマニアかどこかの外交官で、主人は大学の教授だった。チェックイン前には鋸山に行き、大仏を見て来たという。

去年は、電動工具や自動車メーカーのエンジニアをしていドイツ人の夫婦。それと、サンフランシスコから来たというハンサムな米軍の男性と華奢なモデルのような女性のカップル。いずれも鋸山と「和風旅館」を楽しみにしてきたという。

米軍の若い男は、大仏以外の日本時境内の雰囲気にアジアらしさを感じてよかったと言っていた。

百釈観音あたりの古い石組みに、太く大きな蔓がめり込んで生えていたりするのは、カンボジアあたりの宗教遺跡にでもきたようなエスニックな雰囲気があり、私も気に入っているので、彼の言っているのがわかる気がした。

私の担当したこの4組のカップルは、歩きで来て歩きで帰っていった。急がずに徒歩の速度で、土地を感じながら旅行しているような気がして、ちょと嬉しかった。

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