今回の台風は、とても波で遊べるようなものではなかった。
非常に大きい勢力を保ったまま日本に上陸したこの台風。そもそも進路自体があまり都合の良い波を運んでくるものではなかったのだが、むしろ問題は、台風の接近と満潮とが重なったことで、このあたりの海沿いでは、お年寄りでも初めて見たというくらい、波が上がってきてしまったことだった。
朝起きて浜の様子を見に行ってみると、鱚ヶ浦沿いの国道の路上には海の砂がたまっていたし、砂浜からつづく坂道も、強力な波に何度も削られて、半分はなくなってしまっていた。国道は海岸から3メーターほども高くなっているのに、あれには驚いた。坂の途中に留めてある友人の家の漁船は何とか流れずに済んだが、近くに置いてあったボートはなくなってしまっていた。
他の海岸も気になったので、隣の大六海岸で店を作っている知人を訪ねてみた。岸辺から遮るもののないところに建っているその古い建物は、もともと海の家のような安普請な建て付けなので、どうやら波が直撃して外壁が取れてしまって、いくらか海水が屋内に入ってしまったらしい。その付近は朝から地域の人が、海岸沿いの道に打ちあがった大きな流木や大量の砂の撤去をしていて、知人もスコップで建物のまわりの砂をかいていたところだった。
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