漁師が海に出るときに使った古い道具箱、これを沖箱(おきばこ)と呼ぶらしい。プラスチック素材が主流の昨今では使われなくなった古い漁具だ。数年前によく行くカフェで、これの展示会があった。愛好家たちが思い思いのスタイルで使う沖箱が並んでいた。
ある人は文庫本入れ。またある人はコーヒー道具のため。どれもよく手入れされていて、経年の味わい深い質感があって魅力的だった。私が沖箱というのを知ったのはその時だった、、はずなのだが、展示されている箱にはどうも見おぼえがあった。家に帰って、倉庫の奥にもぐりこんで探したら、一つ出てきた。そういえば、ずいぶんと幼いころ祖父が持っているのを見たことがあったのだ。祖父に聞いたら50年くらい前に釣りをするのに保田で買ったんだという。
沖箱の中にある小物ポケットは、去年買った中国茶器がぴったり収まった。蓋はテーブルになるので、ピクニック用としても気が利いている。
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